book: 2006年4月アーカイブ

シリーズ・人間学(3) 現象学は〈思考の原理〉である 筑摩新書393 竹田 青嗣 (著)
奥出研究室2006春合宿の輪読本。奥出研究室では「現象学的」に設計してモノを作るということをやっていて、PaulDorishのWhere The Action Is: The Foundations Of Embodied Interactionや、ウィノグラードのコンピュータと認知を理解する―人工知能の限界と新しい設計理念などを参考にしているのだけど、現象学の哲学本を読むのはこれがはじめて。
現象学は、認識問題の原理論として最も深い原理に達している。しかし、いまでは現象学の支持者にさえ、その意義は正しく捉えられていない。そこで、現象学の意義と可能性を示し(第1章)、現代の信念対立、イデオロギー対立(第2章)、言語の問題(第3章)、欲望論(第4章)の問題に投げ入れて考えてみる。
というのが論旨。輪読の担当箇所チャプター3でもっとも大事だと思われる「現象学的還元」を簡単にまとめてみる。
▼現象学的還元
現象学的還元とは、人が普通にものごとを見る「自然的態度」をいったん停止して(この作業を「エポケー」という)、新たに再構成することを言う。
たとえば、りんごが目の前にあると、丸くてつやつやした赤いものが見える。現象学的還元を行ってりんごを見ると、丸くてつやつやした赤いものが見える→だから、目の前にりんごがある、というように順序が逆になる。つまり、簡単に言うと、「ものごとのとらえかたの順序を逆転させること」が還元である。
では、還元にはどんな意義があるのか?というと、りんごを「世界」に置き換えて考えるとわかりやすい。「世界観についての信念を絶対的なものとして「前提」するのをやめ」(P75)て考える。そうすると「(客観的な)世界観という問いは終焉し、世界観の多数性の本質的理由が明らかになる」(P75)。信念を先に持ってきて考えてしまうと、絶対にその対立は解消されない、とフッサールは考えていた。
内容が難しくて簡潔にまとめられないけど、ミーティングして、アイデアをもちよって、さらに良いものを作る(コラボレーション)や、フィールドワークにいって自分の経験を拡げて新しいアイデアを作る、ということがすんなり説明されたように思った。
